担当理事:小柳 幸
担当監事:越沢正一
’02.12.1(日)午前10時近鉄奈良駅行基菩薩像前集合。当日は恒例の『大仏マラソン全国大会』の日で電車の中も、市内にもジャージ姿の人が多かった。
我々は『昼頃より快晴』の天気予報を信じて小雨決行。市内循環バス「破石わりいし」下車しウォーキングの始まり。志賀直哉旧居を横に見て、ハイキングの達人黒田氏の軽いストレッチ指導を受け、イザ!旧柳生街道の滝坂の道に入る。江戸中期に造られた石畳の道は雨が降ると文字通り滝のような坂になると言われ、往時を偲ぶと柳生の人が人馬の背に荷物を運ぶ姿がスグその木陰からひょっこり出て来そうな林の中である。
大きな倒木に宿木が伸び、苔むした岩など、細い谷川も右になったり左にと森林浴の癒しを受け満足感に浸る。有名な和歌を思い出したりしていると、やがて滝坂地蔵群の「寝仏」「夕日観音」「三体地蔵」「朝日観音」と鎌倉時代の石仏が次々と現れる。紅葉の絨毯が視界全体に広がって、少し頑張って歩いて来た我々の目を楽しませてくれる。『来て良かった〜』とそこここで感嘆の声が洩れる。剣豪荒木又衛門が刀の試し斬りをしたと伝えられる首切地蔵の広いスペースで一息ついて記念撮影。
そこから少し上がると春日山周遊道に出て、今度は暫く下ると世界遺産春日山原始林の碑が立っている。右手は手付かずのままの大木が谷底深くまで続き、左手には杉や檜、楓などが生い茂り、上に広がっている。ここでお弁当。気持ちの良い中を歩いたので皆はらペコ。碑を囲んで記念撮影。
さて次は鶯の滝に向かって前進。スケールは小さいが何とも優しい滝である。マイナスイオンを胸一杯に吸って疲れも消える。そして森の中を落ち葉を踏みしめながら再度周遊道に入り、若草山に到着。奈良市内を一望千里と言いたいところであるが、霧雨に煙る。若い女性達が鹿4、5頭に付け廻されてキャーキャー悲鳴を上げている。いつもの奈良の光景である。11月13日の下見の折は中国の黄砂も飛んで来たほどのもの凄い強風で吹き飛ばされそうであったが、あの日は鹿が山頂に一頭も出ていなかったのには感心したものである。
北端に移ると、清少納言が名づけたと謂われる鶯塚古墳。360度の大パノラマ!視界は効かずともぼんやりとした中に晩秋に色を漂わせた森や林、丘が眼下に広がり興福寺の五重塔、東大寺の甍など、今日この日の天候でしか味わえない日本の美しさを見ることが出来たと、皆口々にする。堪能したところで、さあ一気に下山である。
進む先々に目に鮮やかな黄や赤、橙など色とりどりの落葉の絨毯を足に感じながら、天上に目をやれば、常緑樹の合間に散り惜しむ黄や紅のもみじが飽くことなく続き、今回は1万5000歩でウォーク終了。新公会堂でホットコーヒーでほっとして、参加メンバー15名、ゆったりと自然に抱かれ幽玄の世界に浸った一日でした。近鉄奈良駅16:30解散。
小柳夫人、瑠美子さん記