第8回西南良か女の会平成19年5月10日開催

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 前日の真夏のような陽気とは打って変わって、小雨交じりの肌寒いお天気になってしまいましたが、今日の行程は建物の中だし、こんなお天気などにめげない「良かおんな」達16名は最初の目的地「二条陣屋」へ時間どおりに到着。
ここの正式名称は、「国指定重要文化財、小川家住宅」といい、現在も小川家の子孫の方が、一部を住居として住んでおられます。外から見ると大して広くもなさそうだし、「これが大名の宿泊所となった陣屋?」と思うぐらいのお屋敷ですが、ほっそりした女性の観光ガイドさんが説明してくださる陣屋は、大名の身を守るための「防火設備」やいたるところに「からくり」があり迷路のように入り組んでいてとても一人では元に戻れないように思えます。また、敵に襲われたときに一度にふすまが倒れないように支えあう工夫や、敵を階下に落としこむ階段、そして二重三重の逃げ道など、こんなに用心しなければ安心して夜も眠れないのか、大名も大変だなあと感じました。しかしさすがに大名をお泊めするだけあって、あるお部屋は能舞台もかねており、床下には立派な音響設備、袖に当たるところには能舞台特有の松ノ木を描いてあり、また壁は西陣の絹糸を混ぜ込んで華やかで美しい上に当たってもやわらかく能の衣装を傷めないように工夫しているなど大名をもてなすことにも心配りをした数奇屋建築物です。

 二条陣屋見学後はすぐ近くにある「神泉苑 平八」でお昼ご飯。前日まで夏のような暑さだったので予定の「うどんちり」を急遽平八弁当に代えてさてどんなお部屋に通されるのかと思ったら、なんと庭のお池に浮かぶ竜の頭が付いた屋形船『竜王丸』の中が私達のお席でした。雨が降ってきたので、あまり窓を大きく開いてみることは出来ませんが、ゆらゆらと浮かぶ屋形船の中で、お庭の景色を楽しみながら、美味しいお弁当をいただきました。食後には神泉苑を見学、源義経と静御前の出会いの地で、ここで小野小町は雨乞いの歌を詠み、静御前が雨乞いの舞を披露したそうです。又竜王丸が浮かぶ池は『御池通り』の由来となった池で、神泉苑は平安最古の史跡です。

 午後に見学した「角屋 すみや」は現存する唯一の「揚屋建築物」で昭和27年に国の重要文化財に指定されています。揚屋とは、太夫や芸妓をおかず置屋から太夫、芸妓を呼んで、遊宴を行ったところであり、今で言う料亭にあたりますが、各座敷とも洗練された意匠を凝らし、今の時代でも斬新さを感じさせる障子の桟のデザインには驚きました。天明年間(1781〜1789)前後に角屋では当時における一流画人に襖絵の製作を依頼し、石田幽汀、円山応挙、江村春甫、与謝蕪村などの画蹟が残されています。
私が一番印象に残っているのは2階の青貝の間で、壁、建具その他いたるところに青貝をちりばめた豪華なお座敷は当時のどんな人たちの社交場だったのでしょう。その他にも網代の間、緞子の間、翠簾の間、扇の間、草花の間、馬の間、桧垣の間、松の間などそれぞれ特徴のあるお部屋があり、ボランティアの方に説明していただいて、みんな「ほーっ」とため息をつかんばかりでした。

 角屋の見学を終え、みんなまだ興奮冷めやらぬ思いでわいわいがやがやとおしゃべりをしながら、京都駅まで行き、お茶をして今回の「よか女の会」を終えました。

 最後になりましたが、世話人の諸事情により、今回の「よか女の会」を持ちまして、しばらく休会にさせていただくことにいたしました。参加してくださった方々にかわいがっていただき、世話人一同心より感謝しております。ありがとうございました。

神泉苑 平八 北入口 お池に浮かぶ竜王丸 屋形船の中で女の会 初参加の井上さん バックは善女竜王社
朱塗りの法成橋をバックに 角屋 角屋の説明 角屋1階 主庭 障子の桟の凝った意匠
角屋台所 角屋台所で説明を聞く おくどさん 台所入口 新撰組の刀傷

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